寺山修司記念館開館15周年/ポスターハリス・カンパニー創立25周年記念

寺山修司と天井棧敷◎ポスター展
―演劇実験室◎天井棧敷の宣伝美術の全貌―




    

「星の王子さま」1968
宇野亜喜良/シルクスクリーン
    

「犬神(ドイツ公演版)」1969
粟津潔/シルクスクリーン


書を捨てよ!町へ出よう!」1969
及川正通/シルクスクリーン






2012年4月5日(木)~5月9日(水)
※ 休廊:4/7(土)、4/9・16・23(月)、5/7(月)
13:00~19:00

入場料:300円

※ 5月4日 寺山修司の命日は入場無料
※ 2012年の寺山演劇・映画作品のチケット持参の方、1回無料
※ 寺山修司記念館 入館券持参の方、1回無料
デジタルマガジン Fan+(ファンプラス) 購読者も無料

            ↓

   「寺山修司ワールド」 (監修:九條今日子/編集長:高取 英)は第3号まで発売中。
    http://fanplus.jp/_terayama_/

   第1号 : 特集「寺山修司と故郷」 / 高取 英 (寺山修司ワールド編集長)インタビュー ほか
   第2号 : 特集「家出のすすめ」 / 宇野亜喜良×九條今日子 対談 ほか
   第3号 : 特集「血は立ったまま眠っている」 / 山田太一×九條今日子 対談 / 天井棧敷のトップ女優・新高けい子 ライブ&インタビュー ほか





<企画製作>ポスターハリス・カンパニー / テラヤマ・ワールド / 三沢市寺山修司記念館




世界屈指の前衛劇団(アヴァンギャルドカンパニー)として、国内外で活躍した「演劇実験室◎天井棧敷」(1967~1983)の演劇公演ポスター。
これらのポスターの多くはシルクスクリーン作品で現在美術的評価も高く、現存する枚数は僅かです。1960年代から70年代、世界の若者の既成の秩序に
対する異議申し立てに同調するように、日本の演劇界でも新劇とはまるで異質な世界を創造することを目指した小劇場運動(いわゆるアングラ演劇)が
勢いを持ち、寺山修司(天井棧敷)、唐十郎(状況劇場)、鈴木忠志(早稲田小劇場)、佐藤信(黒テント)、串田和美(自由劇場)らがそれまでにない実験的な
舞台を繰り広げていきました。この頃、舞台と相乗効果をもたらしたのが、このアングラ劇団の旗印として登場したポスターです。

特に寺山修司が主宰した天井棧敷のポスターには、1967年の劇団旗揚げメンバーでもあった横尾忠則をはじめとして、粟津潔、宇野亜喜良、金子國義、
林静一、井上洋介、及川正通、榎本了壱、花輪和一、合田佐和子、戸田ツトムなど、多くのアーティストがかかわりました。彼らの手によるポスターは、
単なる公演告知のポスターの枠を越え、日本が熱く燃えた時代を鋭く切り取り、それらのポスター自体が発するメッセージは時代を越え今も輝き続けています。
時にはそのデザインが舞台の演出にまで影響を与えたことも少なくありません。そんな作品を見ていると今にも舞台が蘇ってくるような興奮に包まれます。

今回は、公演のチラシ・パンフレット・チケットなどの関連資料も展示いたします。

演劇界にとどまらず、美術界やグラフィックに関心のある若者や、60〜70年代の冒険の時代を生きた多くの方にもご覧いただきたく存じます。





4月14日(土)/ 21日(土)
■ギャラリートーク
 15:00~
ポスター展入場料でどなたでもご参加いただけます。
笹目浩之(寺山修司記念館副館長/ポスターハリス・カンパニー代表)によるポスター解説。



■寺山修司監督 実験映画上映会 OPEN 19:15/START 19:30 
各¥1,500(1ドリンク付)
当日13:00より整理券発行します。

上映作品
14日(土)『檻因』『マルドロールの歌』『書見機』
21日(土)『青少年のための映画入門』『迷宮譚』『審判』



4月27日(金)
■ワンナイトバー「テラヤマ」
 OPEN 20:00
展覧会終了後に、天井棧敷ポスターで埋めつくされたギャラリーでバー営業いたします。








上映作品
『檻囚』 1962年作品/モノクロ調色/11分
脚本・監督:寺山修司/撮影:立木義浩/音楽:J・A・シーザー/編集:萩原朔美/共同演出:竹内健
出演:ミスター日本、立木義浩、大山デブコ、竹内健、石原祐子
◆撮影から2年後に編集された処女作。フイルムによるイメージのコラージュ。


『マルドロールの歌』 1977年作品/カラー/27分
◎リール国際映画祭国際批評家賞
脚本・監督:寺山修司(ロートレアモン「マルドロールの歌」による)/撮影:鈴木達夫/音楽:鈴木昭男
ビデオ製作:小西昭典/照明:磯貝重夫
出演:新高恵子、蘭妖子、矢口桃、大野進、日野利彦
◆ロートレアモン「マルドロールの歌」を映像の翻訳。読む映像の試み。


『書見機』 1977年作品/モノクロ調色/22分
脚本・監督:寺山修司/撮影:福元文一/音楽:J・A・シーザー/編集:池田幸子
出演:新高恵子、サルバドール・タリ、大野進、矢口桃、日野利彦、若松武、末次章子、カトリーヌ
◆「レーモン・ルーセルを読む機械」に触発され、目と書物の距離を検証する。


『青少年のための映画入門』 1974年作品/モノクロ調色/3分
脚本・監督:寺山修司/撮影:萩原朔美/選曲:寺山修司/製作:九條映子
出演:森崎偏陸、斉藤正治、佐々田季司、A.V.サキノフ
◆「100Feet Film Festival」に出品された3台の映写機による3分間映画。


『迷宮譚』 1975年作品/モノクロ調色/15分
◎オーバーハウゼン実験映画祭銀賞◎カンヌ映画祭監督週間招待
脚本・監督:寺山修司/撮影:福元文一/音楽:田中未知/編集:大島ともよ/助監督:森崎偏陸、浅井隆
出演:新高恵子、蘭妖子、佐々田季司、大野進、田井中浪子、小竹信節
◆「カメラ万年筆」論もびっくり、「スクリーン=ドア」論を主張する映画。


『審判』 1975年作品/カラー/34分
◎ベルリン映画祭特別上映◎ベナルマデナ映画祭特別賞
脚本・監督:寺山修司/撮影:福元文一/音楽:J・A・シーザー/編集:大島ともよ
製作:九條映子、田中未知
出演:新高恵子、大野進、蘭妖子、パンチョ・目黒、矢口桃
◆釘で被われたイメージの釘学大全。観客によってスクリーンは釘の壁と化す。




寺山修司 terayama shuji


撮影:有田泰而

詩人・演出家・写真家・映画監督
1935年12月10日(戸籍上は1936年1月10日)青森県生まれ。
1967年「演劇実験室◎天井棧敷」を設立、主宰。
世界屈指の前衛劇団として国際的に活躍。
代表的舞台に「毛皮のマリー」「奴婢訓」「レミング」。
映画監督としても「書を捨てよ町へ出よう」「田園に死す」の他、実験映画も次々に発表。
1983年5月4日、47歳で急逝。
1997年、青森県三沢市に三沢市寺山修司記念館開館。